「気づくと自分に仕事が集まっている」
「頼まれることが増えたのに、達成感が減っている」
「任されているはずなのに、余裕がない」
30代後半から40代にかけて、このような感覚を抱く人は少なくありません。仕事を任されやすいこと自体は、能力や信頼の証です。しかし同時に、任される量と評価、成長が必ずしも比例しなくなる局面が訪れることがあります。
この記事では、任されやすい人がなぜ消耗していくのか、その背景にある構造を整理します。
任されやすい人ほど疲れていく現象
仕事を任されやすい人は、周囲から見ると「頼りになる存在」です。対応が早く、精度が高く、状況を読んで動ける。そのため、困ったときに自然と声がかかります。
ただ、この状態が続くと、仕事の量は増えても、自分の裁量や達成感が増えないという違和感が生まれます。
任されているのに、前に進んでいる感覚がない。そのズレが、消耗の入口になります。
信頼と負荷が比例しない構造
本来、信頼が高まるほど、仕事の質や役割も変化していくはずです。しかし実際には、信頼が「便利さ」として使われてしまうケースがあります。
・誰に頼めば確実か
・今すぐ動ける人は誰か
・全体を見て補える人は誰か
こうした基準で仕事が集まると、負荷は増えても、評価や裁量は更新されません。信頼が昇格や役割の再定義につながらず、単なる負担として積み上がる構造が、消耗を生みます。
その結果、仕事量は増えているのに、自分が本来担うべき仕事や裁量は、むしろ減っていくことがあるのです。
実際、私自身も、「信頼されているはずなのに、自分の仕事が減っていく」という感覚を、ある時期から持つようになりました。
当時は理由が分かりませんでしたが、後から振り返ると、これは能力の問題ではなく、信頼が評価や裁量に変換されないまま、負荷だけが増えていた状態だったと考えられます。
「できる人」に仕事が集まる仕組み
仕事が集まりやすい人は、無意識のうちに次の行動を取っています。
・頼まれる前に動く
・不足を見つけて補う
・断らずに引き受ける
これらはすべて、組織を回すうえで欠かせない行動です。ただし、この動きが続くと、「任せれば何とかしてくれる人」という位置づけが固定されやすくなります。
結果として、本来注ぐべき仕事よりも、周囲の穴埋めが増えていく状態に入りやすくなります。
任される側が無意識にやっていること
任されやすい人は、「期待に応えたい」という意識が強い傾向があります。そのため、自分のキャパシティや優先順位よりも、目の前の要請を先に処理してしまいます。
また、断ることで流れが止まることや、誰かに負担がいくことを避けようとするため、調整役を引き受けがちです。これは責任感の表れである一方、役割の線引きが曖昧になる原因にもなります。
消耗が限界に近づくときのサイン
消耗が進むと、次のような変化が現れます。
・忙しいのに手応えがない
・自分の仕事が後回しになる
・評価されている実感が薄れる
・疲れている理由が説明できない
これらは、頑張りが足りないサインではありません。役割と負荷のバランスが崩れているサインです。
任され方を変えるために必要な視点
任されやすさをなくす必要はありません。必要なのは、「何を任され、何を手放すか」を整理する視点です。
・今の自分が注ぐべき役割は何か
・引き受けることで、自分の仕事が削られていないか
・その仕事は、本当に自分でなければならないか
任され方が変わると、仕事の質も評価のされ方も変わります。消耗は、能力の限界ではなく、役割の配分を見直すタイミングとして現れるのです。
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